管理人が警察官を退職したのは30歳になる年でした。
新卒で警察に入り、20代で巡査部長に昇任。
20代にして警部補の受験資格も有り、第三者から見れば、順風満帆?な警察人生だったと思います。
そんな私がなぜ退職という道を選んだのか?
その理由を紹介します。
理由1 転勤が多すぎる
yotaroは8年間で4回も異動にかかり、4回引っ越しをしました。
途中で昇任を挟んだこともあり、必然的に短いスパンでの異動になったこともありました。
(一般的に、昇任すると異動になります。)
転勤が決まると、移動旅費が支払われます。
しかし、この移動旅費は極めて低く、組織都合で引っ越しさせられる度に大赤字です。
なお、自治体によっては、引っ越しの実費精算をしてくれるところもあるそうです。
yotaroが居た県警は比較的大きい県で、基本的に所属する警察署の区域内に住むことが義務付けられていました。
基本的に異動のたびに引っ越しです。
県警によっては、必ずしも引っ越さなくても良いところもあるようです。
理由2 家族よりも仕事を優先しなければならない
実際、こうなることは警察官になる前から分かっているつもりでした。
いざという時は、仕事を優先しなければならない。
実際、独身の頃は大規模災害に伴う急な呼び出しや、休日返上の事件捜査も警察官として当然のものとしてこなしてきました。
休日の予定が潰れても、宿命として割とすんなり受け入れてきました。
しかし、実際に自分が家庭を持つ身になると、全く感じ方が変わります。
大規模な災害の発生時、家庭を投げ出して仕事に行くことが、耐え難い苦痛になりました。
一番に守りたいのは自分の家族なのに―――
何かあった時、一番に家族を守りたい、そう感じたことが転職の大きな理由になりました。
理由3 劣悪な労働環境
労働環境が一向に良くならないことも理由の一つでした。
パワハラ体質は染みついており、どこそこの警察署の誰々がパワハラが原因で休職しただとか、自殺しただの。
そういった話は在職中絶えることはありませんでした。
慢性的な人手不足は、警察官個人の長時間労働で対応します。
その長時間労働に対しても、残業代が満額支給されることはありません。
有休が取得しやすくなりましたが、その分通常の休日に自主的に仕事をします。
装備品にしてもひどいものばかりでした。
身に着ける者の負担を全く考慮していない手錠、拳銃、警棒、対刃防護衣・・・。
ひび割れた警察署。
タコ部屋のような仮眠室。
度々処理落ちするパソコン。
走行距離50万km越えのパトカー。
装備品が改善されるのは、それが原因で警察官が負傷したり何らかの事故が起きた時です。
事故が起きてからじゃ遅いんですよね。
私が在職中の間、こうした労働環境は改善されず、今後もそうなんだろうという確信がありました。
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退職して思う、警察組織に対する思い
退職した今は、愛憎入り混じったような気持ちを警察組織に対して抱いています。
警察という組織に対する不満はありましたが、働いている一人一人の警察官に対しては、心からエールを送りたいです。
特別仕事内容が嫌で辞めた訳でも無いので、たまに今の仕事が退屈に感じてしまうこともあります。
もっともっと労働環境が良くなって、警察官みんなが幸せに働ける組織であって欲しいなあと思います。