こんにちは、元警察官のyotaroです。
皆様の自宅のポストに「巡回連絡カード」なるものが入っていたことはありませんか?
もしくは、警察官がいきなり家に来て、「巡回連絡カード」への記載を求められたことはありませんか?
巡回連絡カードには、
・自分や家族の住所
・氏名
・生年月日
・職業
・連絡先
等の個人情報の記載欄があることから、少なからず抵抗を持った方もいると思います。
中には、「警察に対して不信感を覚えた」という方もいるかもしれません。
そこで今回は、
「巡回連絡カードとは何なのか?」
「巡回連絡カードの活用目的は?」
以上の内容について、実際に何百回と巡回連絡カードをお願いしていた経験を元にお話します。
巡回連絡カードは強制ではない
元警察官の意見としては、巡回連絡カードは記入してもらえると非常にありがたいのですが、強制ではありません。
記入を断ったことで不利益を被るものでもありませんし、警察にマークされる、なんてこともありません(笑)
「ちょっと抵抗があるな」
という方は、書かなくても大丈夫です。
近年、都市化や個人情報に関する警戒心の高まりにより、記入を断る人は珍しくありません。
ただし、「書いてもらった方がいざという時に役立ちますよ」というのは事実です。
以下、そもそも「巡回連絡カードとはなにか?」というところから解説していきます。
そもそも「巡回連絡カード」ってなに?
そもそも巡回連絡とは何か?
地域課の警察官の仕事の1つに「巡回連絡」という活動があります。
巡回連絡の根拠となる法令は以下のとおりです。
昭和四十四年国家公安委員会規則第五号
地域警察運営規則
(巡回連絡)
第二十条 交番勤務及び駐在所勤務の巡回連絡においては、担当する区域(以下「受持区」という。)を巡回して家庭、事業所等を訪問し、犯罪の予防、災害事故の防止その他住民の安全で平穏な生活を確保するために必要と認められる事項についての指導連絡、住民の困りごと、意見、要望等の聴取等に当たることにより、住民との良好な関係を保持するとともに、受持区の実態を掌握するものとする。
2 前項の巡回連絡は、所管区又は受持区の状況その他の事情により必要と認められるときは、前条第一項の警らに当たつて行うことができる。
簡単に言えば、巡回連絡は、地域の防犯のため、警察官が1件ずつ管内の住居を訪問してまわり、防犯指導や困りごとの聴取をする活動です。
巡回連絡カードは非常時の連絡に役立てるのが目的
巡回連絡カードは、巡回連絡で訪問した家の方に記載をお願いするカードで、
・住所
・氏名
・生年月日
・電話番号
などを記載していただく書類になっています。
巡回連絡カードへの記載をお願いするのは、非常時の連絡のため、というのが一番の理由です。
実際にどういったシチュエーションで活用するか、以下解説していきます。
巡回連絡カードの活用目的
災害が発生した時の連絡のため
大規模な災害などでケガをした人が居る場合に、巡回連絡カードは役に立ちます。
例えば、一人暮らしの方が地震によって怪我をして病院に搬送された場合、警察から家族の方にすぐ知らせることができます。
巡回連絡カードが無い場合、最悪市役所等に連絡の依頼をすることになりますが、平日しか対応してもらえなかったりと連絡に時間がかかるため、連絡が付いた頃には手遅れになっていることも考えられます。
警察が独自に連絡先を把握していることが、早急な災害対応につながります。
事件・事故が発生した際の連絡のため
家族が何らかの事件や事故に巻き込まれて連絡を取れなくなった場合、警察から家族に連絡をかける必要があります。
巡回連絡カードが無い場合、家族に連絡をつけるのが著しく困難ことがあります。
迷子や迷い老人を保護した際の連絡のため
迷子や迷い老人を警察で保護した場合、家族に連絡をする必要があります。
この際にも、巡回連絡カードを記載していると非常に役に立ちます。
巡回連絡カードに記載された保護者の電話番号や勤務先に、すぐ電話をかけて無事を知らせることができます。
巡回連絡カードが無い場合、連絡先を知るのも大変な時間と労力がかかります。
警察官を信用できれば巡回連絡カードを書きましょう
以上巡回連絡カードの利用目的について述べてきました。
「ああ、そういう時に使うのね」
とご理解してくださった方も居るでしょうか。
そもそも私個人的には、巡回連絡カードは、面前で巡回連絡の目的をしっかり説明したうえで、記載してもらうのが筋だと思っています。
対面で説明せず、ポストに投函して書かせたりするのは、住民の不信感につながるため、いい方法とは思えません。(忙しいのもよくわかります)
実際に警察官に対面して、
「あ、この警察官は信用できそうだな」
と思えれば巡回連絡カードを記載してあげてください。