こんにちは、元警察官のyotaroです。
地元のニュースなどで
「県民の警察官として○○署の△△警部補を表彰した~」
なんて報道を見たことはありませんか?
ここで出てくる「県民の警察官」の表彰、全国どこの県警にも存在する制度なんですよね。
しかし、いまいちこの表彰の位置づけについて知っている人は多くありません。
なんとなく「長年警察官として頑張ってきた人を表彰するんだな~」くらいの認識方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
・そもそも県民の警察官とはどういった団体が表彰を行っているのか?
・どういった警察官が選ばれるのか?
解説していきたいと思います。
「県民の警察官」表彰の主催団体は「警察官友の会」
県民の警察官表彰は、警察官OBで構成される「警察官友の会(警友会)」によって行われています。
私が居た県警にも「警友会」は存在しており、たまに警察署に差し入れ等を持ってきてくださりました。
警友会の方の家に巡回連絡に行くと、
「お茶でも飲んでいきな~」
と優しくしてもらえることもありました(笑)
そもそも県民の警察官とは?
「県民の警察官」について全く聞いたこともない、という方も居るでしょうか。
簡単に言えば、長年県民に寄り添い、多大なる功績を残したと認められた警察官のことです。
どういった警察官が選ばれる?県民の警察官表彰基準
さて、この県民の警察官。
どういった警察官が選ばれるのでしょうか?
石川県警のHPに選考基準が記載されていますので、参考に見てみましょう。
1 選考基準
○ 「県民の警察官」表彰候補者の推せん基準について
警察官として人格、識見ともに優れ勤務成績が優秀であって、次の各号に該
当する功績があり、真に「県民の警察官」 として表彰を受けるにふさわしい者
ただし、かつて「県民の警察官」として表彰を受けた者を除く。
(1) 県民に献身的な奉仕をしたことにより、感謝と賞讃を受けたもの。
(2) 勇敢な行動もしくは機敏な措置によって人命を救助したもの。
(3) 重大な事件の犯人検挙、または犯人検挙にけん著な功績があったもの。
(4) 天災地変、その他の変事における警戒防護、または救護活動にあたって、
けん著な功績があったもの。
(5) 長期間、献身的に交通指導取締り、または防犯活動に従事し、交通事故防
止、地域防犯活動に多大の貢献をしたもの。
現場でそれなりに大きな功労をあげないと表彰基準を満たせないことがわかりますね。
この県民の警察官で表彰されるのは、現場で活躍している警部補、巡査部長がほとんどです。
各県警の「県民の警察官」を調べてみると、ベテランの警部補~巡査部長の方が多いはずです。
警察官で現場活動を行うのは、基本的に警部補までなので、この表彰自体が現場警察官を称える意味合いが強いのでしょう。
警部以上の階級になると、現場活動から離れてしまうので、県民の警察官には選ばれにくい傾向があります。