PR

警察官の給料は安いのか?【元警察官が考察します】

この記事を書いた人
yotaro

警察歴8年、元某県警の巡査部長。
結婚を機に転職し、今は別の仕事をしています。
警察に興味のある方や、警察官試験に興味のある方向けに情報を発信しています。
実際の現場で経験した「リアルな声」をお届けしたいと思っています。

yotaroをフォローする

こんにちは、元警察官のyotaroです。

今回は、警察官の給料は安いのか?といったテーマについてお話します。

これから警察官になろうとしている方や、就職先の候補として考えている方の

参考になればと思います。

スポンサーリンク

スペック上の給料は決して安くないが・・・

警察官の給料は決して安くありません。

新卒採用の警察官は、警察学校に入ります。

いわば、研修中の身分ではありますが、月額で 259,300円(警視庁) もの給料がもらえます。

行政職公務員との比較

行政職の公務員と比較してみても、警察官の方が上の給料は上です。

試しに警視庁と都庁の初任給を比較してみます。

初任給
警視庁1類259,300円(地域手当20%込み)
都庁1類244,400円(地位手当20%込み)

ベースとなる給料は警視庁の方が上です。

さらに警察官は、危険な勤務や過酷な労働をしている分、超過勤務手当(残業代)以外にも、

・特殊勤務手当

・夜勤手当

・休日勤務手当

等の手当が付与されます。

超過勤務手当(残業代)くらいしか付かない行政職公務員と比較すれば、圧倒的に警察官の方が給与面では優れています。

実際、私と同級生の行政職公務員と比較しても、私の方が給料は完全に上回ってはいました。

参考として、管理人(地方ノンキャリ警察官)の給料明細も下の記事で公開しています。

スポンサーリンク

警察官はサービス残業が多い!

警察官の給料は低い?と騒がれる原因は、サービス残業の多さにあります

警察官は賃金交渉をするための組合もなく、極めて秘密主義的な組織であることから、労働環境に関する実態が公になりません。

公になるのは、コトが大きくなって取り返しがつかなくなってからです。

熊本県警、当直を労働時間から除外 過労死ライン超え続け、24歳刑事自殺

熊本県警が2020年11月まで、警察署の当直勤務を労働時間から除外する運用をしていたことが、県警への取材で明らかになった。当直勤務中も事件事故などに対応するが、県警は国が「ほとんど労働する必要のない勤務」に限り労働時間に算入しないことを認めている「断続的労働」とみなしていた。長時間労働の末に17年に自殺した県警玉名署巡査の死を巡り、地方公務員災害補償基金が認定した時間外労働と同署の算定に最大で月約50時間の開きがあることも判明したが、当直を労働時間から除外していたのが一因だった

https://mainichi.jp/articles/20210206/k00/00m/040/009000c

警察官の「夜勤」が労働時間として扱われていなかった、という異常な話です。

はっきり言って狂ってますが、これは熊本県警に限った話ではありません。

私がいた県警でも、何とも怪しい給与事務が行われていました。

自分の超過勤務手当や特殊勤務手当の額に、首を傾げたことが何回もあります。

今月は「超過勤務手当」が多いな~と思ったら、いつもより「特殊勤務手当」が少なかったり(笑)

その逆もあったりと、まあほんと謎でしたね。

残業代はほぼ定額!?

警察官の超過勤務管理は非常にザルで、毎月決まった予算の中からしか残業代が出ません。

私が現職だった頃の話ですが、 残業代は毎月似たような金額しかでませんでした。

どんなに残業時間が多くても、どういう訳かほぼ決まった金額になるのです(笑)

自分の1時間当たりの残業代を計算したら、1時間200円台の計算になった時は愕然としましたね。

スポンサーリンク

結果的に警察官は安い給料で働かされている

警察官は賃金の交渉ができません。

警察組織内でも、

「残業代は満額出ない」

というのが共通認識になっています。

なんなら朝の朝礼で署長が、

「残業代は出ないので、みなさん残業を減らして早く帰れるように仕事をしましょう」

等と言う始末です。

残業代がでないことにケチをつけようものなら、

「嫌なら違う仕事を探すしかない」

等と言われかねない組織で、残業代がでないことを騒ぐのは完全にタブー視されています。

警察官になるのであれば、 残業代が正しく支給されることは無い、と覚えておきましょう。

組織内にはびこる「頑張っても無駄」という風潮

このように、

「残業してもロクに給料が出ない」

という風潮から

「仕事なんて頑張るだけ無駄」

という認識をもつ警察官が一定数います。

「ゴンゾウ」 と呼ばれる地域課のベテラン巡査部長、巡査は、

「いかに仕事をせず給料をもらうか」

という能力に長けています。

その分のしわ寄せは、若くて生きのいい警察官の業務負担として表れます。

運悪くゴンゾウとペアになった警察官は、たくましく育つか、バカバカしくなって辞めるかの2択です。

スポンサーリンク

警察官の労働環境改善は喫緊の課題

警察官の労働環境の悪さは今に始まったことではありません。

秘密主義的な組織故に、今までは表沙汰になっていなかっただけです。

近年、過労による自殺やSNSの発達などで、警察官の長時間労働も取り上げられる機会が増えてきました。

現場で働く警察官は、かなり疲弊しています。

もはや、小手先の工夫では労働環境の改善はできません。

超過勤務手当を満額支給するか、人員を増やして休みが取りやすい職場にする等の改革を行ってほしいですね。

私自身、警察官の労働環境の実態を発信していくことで、現場警察官の待遇完全につながることを祈っています。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
警察の組織事情