こんにちは、元警察官のyotaroです。
今回は、警察官が私生活で制限されることや、制限を受ける理由についてお話します。
普通の組織では考えられないような、私生活上の制限が警察組織には存在しています。
警察官が私生活上で制限を受けること
居住地が制限される 官舎に半ば強制的に住まされることも
警察官は、住む場所に関しても制約を受けます。
基本的に、自分が所属する警察署の管轄内に居住することが求められます。
首都圏エリアだとある程度融通が利くようですが、地方の県警だと異動の度に引っ越しです。
警察の異動は、年度末かつギリギリに内示があるため、引っ越し業者に見積もりを取るにしても大変高額です。
異動旅費は出ますが、ほぼ確実に赤字です。(※県によっては、かかった費用を後日全額請求できるところもあるそうです。)
また、若手や独身の警察官は、半ば強制的に警察の官舎に住まわされます。
異動が決まった直後、異動先の警察事務の人とやり取りをする機会がありますが、とにかく官舎をゴリ押しされます。
官舎に空き部屋があると、維持管理上都合が悪いからですね。
ここで若手や独身の警察官だと断り切れず、嫌々ボロい官舎に住むことになります。
若手が官舎に収容されるの場合、身上把握の目的もありますね。
自由な外出・外泊の制限 常に所在地を明示しておく
警察官は、プライベートの外出や外泊にも制約を受けます。(外出・外泊って言い方がそもそも警察っぽい・・・)
所属する警察署の管轄内から出るときは、上司への報告が必要になります。
警察の用語で「所在明示」なんて言われますが、緊急時の呼び出しの際に、呼べるメンツを把握しておくのが目的です。
当然、外出・外泊の頻度が多いと上司から苦言を呈されるわけです。
なお、外出・外泊の届け出は、口頭報告あるいはエクセル表への入力が主流です。(県によっては未だに申請書の様式を使っているところもあるとか)
プライベートの飲酒の制限
警察官は休みの日であっても飲酒に制限を受けます。
非常時の招集要因として指定された日は、原則飲酒することはできません。
いつ呼び出されても大丈夫な状態にしておく必要があるのです。
また、外で飲酒会合(飲み会)をやる時は上司への報告が必要になります。
現在はだいたいが上司への口頭報告か予定表への入力程度で済みますが、昔はわざわざ届け出の書類を提出していました。(無断で飲み会をした回数は数知れず・・・)
県警によっては、この飲酒届の書類が未だに必要なところもあるみたいです。
高額な買い物の制限
高級な腕時計や車を買う時は、上司に報告しなければなりません。
購入して後日報告すると、大変怒られます。
職員が無理な借金をして破滅しないためとの名目ですが、専ら不祥事防止のためですね。
酒・金・異性は警察組織内の三大不祥事原因と言われています。
無理な借金をして、警察署の金を盗んだり犯罪を起こされてはたまったものではありませんからね。
余談ですが、車の色に関しても派手な色は小言を言われる原因になります。
警察署に泊められている職員の車が、派手すぎる色だと、市民の目もあり悪目立ちするからですね。
白・黒・シルバー等の派手すぎない色が無難です。
交際相手に関する制限
交際相手が出来た場合、上司に報告しなければなりません。
結婚する段階になって報告すると、非常に渋い顔をされます。
なぜ交際相手を報告するのか?
それは、交際相手の身元を確認するためです。
警察的にアウトな組織の構成員だったり、身内にヤバい人が居る場合は別れるように言われることでしょう。
どんな組織の構成員だとアウトになるかは以下の記事を参考にしてください。↓
警察官が私生活も制限を受ける理由とは?
警察官の不祥事防止・警察組織の規律を守るため
警察官が私生活も制限を受けるのは、警察官の不祥事防止、組織の規律維持のためにほかなりません。
警察の不祥事は、警察組織に対する信頼低下やモチベーション低下につながります。
警察組織は、市民の皆様の協力なしに成り立たない組織です。
市民の皆様の期待を裏切らないような行動が、私生活上でも求められているのです。
こうした制限を受け入れられない人は、警察官には向いていないでしょう。